激安の国 2021 5 2

書名 安いニッポン 「価格」が示す停滞
   「年収1400万円は低所得」の真実
著者 中藤 玲  日経プレミアシリーズ

 いつからだったのか。
海外赴任から日本へ帰ってくると、
「日本は物価が安い」と思うようになったのは。
多くの人は、そういう体験をしているのではないか。
 東京では、昼食に10ドルも出せば、おいしいものが食べられるのに、
海外では、おいしいものを食べるには、20ドルも30ドルも必要になる。
いや、場所によっては、50ドル以上か。
 日本が20年以上もデフレを続けていて、
海外が20年もインフレを続けていれば、そういう金銭感覚になります。
「年収1400万円は低所得」という地域があるでしょう。
ここにデフレの問題点があります。
 意外に思うでしょうが、税収に影響があります。
基本的に「税収=GDP×税率」なので、
この20年間、GDPがほとんど増えなかった日本は、
税収不足に困ったでしょう。
 諸外国は、20年間で倍増どころか、10倍になった国もあります。
アメリカですら、2倍になっています。
 かつて、「1995年合衆国破産」という本が出版されるほど財政危機でした。
アメリカは、どうしたのか。
年収(GDP)を増やして解決したのです。
 年収500万円で5000万円の住宅ローンがあると大変ですが、
年収1000万円になると、どうなるか。
 諸外国は、GDPを大幅に増やしているのに、
日本だけは、現状維持になっています。
まるで「GDPの浦島太郎」です。
 気がつけば、「安いニッポン」になっています。
だから、外国人は日本へ旅行したい。

























































































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